気になるニュース「中国・三峡ダムは大丈夫?」
今年の6月ごろから、中国・三峡ダムには構造上の数々の問題があって、この夏期の台風を含む大雨の影響で、崩壊、決壊するのではないか、というニュースがありました。
その頃から、このニュースは気になっていましたが、今月になってあまり、ニュースとしては目にしなくなってきていて、ダムはどうなったのか、気になります。
三峡ダムは、2009年に完成した中国・長江中流域にある世界最大の水力発電ダムといわれています。
建設中には、李白、杜甫、白楽天などの詩に歌われた1000カ所以上もの文化財と美しい景観が水没し、魚類の生態系が破壊され、希少動物の河イルカが絶滅したなど、環境破壊が問題となったようです。
ダム完成後は、貯水する大量の水が蒸発し、濃霧、長雨、豪雨などの天候不順が頻発し、天候不順が年々激しくなっているようです。
また川から流れ入る大量の砂礫や大量発生したアオコがヘドロ化し、ダムの水門をつまらせ、環境団体などが毎日3000トンのゴミを掻き出しているが、お手上げ状態だそうです。
水は流れず、貯水もできず、ダムが周囲に及ぼす悪影響は増え続け、中国政府も解決策を見出せず、ダムは放置されている状態だそうです。
そもそも、建設前から三峡ダムの建設に反対した著名な水利学者、清華大学の故・黄万里教授は、「もしダムを強硬に建設したら、10年もたないだろう」と警告していたそうで、「どうにも立ち行かなくなったら、破壊するより方法はない」と遺言を残したそうです。
中国「三峡ダム」危機--最悪の場合、上海の都市機能が麻痺する | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
三峡ダムは2009年に完成したわけですから、今年で11年目ということで、いつ決壊するようなことが起きてもおかしくないのかもしれません。
もし、決壊ともなれば、約30億立方メートルの濁流が下流域を襲い、安徽省、江西省、浙江省は水浸しになり、上海市は都市機能が壊滅するといわれています。
中国・三峡ダムに「ブラックスワン」が迫る──決壊はあり得るのか | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
また、三峡ダムの下流域には、コロナウイルスが世界で最初に感染拡大が見られた武漢市があり、武漢市は何かに攻撃されているかのように見えてしまいます。
三峡ダムの設計上の最高水位は175メートルとされているようです。
“危険水位”の中国・三峡ダム、共産党系メディアも一面で報じる事態 「水害が政治にも関わる状況に」(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース
2020年9月12日現在の水位は、約154メートルのようです。
中国三峡ダムの水位、入水量、出水量(日本時間9月12日20:00現在) | 成功のための中国ビジネスチャンネル
限界までは達していないようですが、今後の台風などの大雨によっては、危険水位まで達してしまうこともありそうです。