鍼灸院神尾のんびりブログ

埼玉県所沢市で鍼灸院をしています。

埼玉県加須市、旧騎西高校での鍼灸ボランティア

p1000001.jpg昨日、埼玉県加須市の避難所で行われた鍼灸ボランティアに参加させていただきました。 この避難所は県立高校の廃校を福島県双葉町の被災者の方々の受け入れ先としています。被災者の多くは、福島第一原発の事故によって避難されている方々がほとんどのようでした。なかには、原発で作業を行い、週末のみこの避難所の家族のもとに帰り、また平日に原発に戻る、といった生活をされている方も

いるとのことでした。   昨日も暑く、特に加須市は埼玉県の中でも気温の高いところで、厳しい環境でした。被災者の方々の部屋にチラシを配りに行きましたが、冷房の設備のある部屋とない部屋とがあり、冷房の効いている部屋には比較的高齢の方が使われているようでした。 p1000003.jpg今回の鍼灸ボランティアは、NPO全国鍼灸マッサージ協会主催で、2ヶ月前から月2回、日曜10:00~17:00まで行っている活動です。治療スペースは、校舎の玄関の脇に設置され、ベッドが3台並べられ、最低限のものが用意されていましたが、冷房の効かない場所でした。今までの被災地などでの鍼灸ボランティアでは、治療スペース作りから始め、テントを張ったり、ベッドを組み立てたり、といった準備が必要でしたが、今回は治療スペースが確保されていて、その分、やりやすく、場所を提供していただいた関係者のみなさまに感謝しております。 鍼灸師4名、受付1名の体制で、15名の患者さんを診させていただきました。私自身は5人の患者さんを担当させていただきました。私以外の3名の鍼灸師の先生方も埼玉県各地で鍼灸治療やマッサージをされていて、今回大変お世話になりました。またいつかご一緒できる時を楽しみにしております。 患者さんは80歳以上の方が多く、ベッドにうつ伏せになるのも大変な方もいらっしゃって、難しさもありましたが、一人の患者さんが治療を気に入っていただけたようで、同じ被災者のご友人を連れてきていただいて、そのご友人にも鍼治療をさせていただき、嬉しい瞬間でした。鍼治療自体が患者さんに影響をもたらしたことも少なからずあったとは思いますが、時間をかけて身体の不調の訴えをよく聞くことはもちろんでしたが、避難所での日常生活の話しや家族の話しなどをゆっくりと聞かせていただけたことで、患者さんと自分の間に何か通じるものがあったことが、治療の効果にもつながったように思えました。 「第一に、鍼はこころでするもの」という先人の言葉をあらためて胸に刻みました。